武学とは「帝王学としての技術と概念」
武学とは、2,500年前には既に成立していた、皇帝や軍師などの国の最高統率者に極秘に伝えられ、進化発展してきた「帝王学としての概念と技術」のことです。
中国、春秋時代の武将・軍事思想家である、孫武(孫子)によってまとめられました。
孫武をウィキペディアで調べると、「戦わずして勝つという戦略思想家」と出てきます。
ですが本来は「自他不敗」
つまり、「自分も負けず、相手も負けさせない」という考え方です。
武学は「従わない者は殺す」が出発点
世は戦国時代。どうしたら国が勝てるか、どうしたら人を従わせることが出来るか・・・
最初は「従わない者は殺す」というところからスタートしました。
敵がどのような武器を使い、何人で来るか分からない状況でも戦えるように、自分の感覚を鋭くさせること
相手の状況・たくらみの情報を集めて、戦い方を決めることなど
究極の勝つ方法を突き詰めていったのですが、
行き着いたのは、相手と戦い殺すのではなく、相手と仲良くなり人を活かす方法が良いということでした。
仲良くなり、人を活かすためには
「徳を体得する」ことを目指す必要があることがわかりました。
「徳」は体得できる
武学の目的は「徳の体得」
と書いていますが、「徳」とは何でしょうか?
「徳」の話しをしようとすると、「何かとんでもない大きな・深い、自分には至らないレベルのもの」といった感覚になる方が多いと感じます。
「徳」の文字からその意味を確認してみましょう。
つくりは、心が素直でまっすぐな様で、原字である「悳」を形成。
「彳」(ぎょうにんべん)をつけて、「まっすぐな心で行動するの意」を表わしたものです。
ここまで書いてきましたが、「徳」を定義すると、次のとおりです。
「私は一体何者なのだろうか?」
「なぜ私は存在し、何に貢献しようとしているのだろうか?」
「私はどこへ行こうとしているのだろうか?」
「相手を理解しようとし、相手の存在を観る」
これらが、孫子の兵法での
「彼を知り己を知れば、百戦して危うからず」
に繋がっていくのです。
(1)自分自身で自らの行動を選択することによって、主体的な生き方をする
(2)宇宙の法則に従って生きる
上記が「徳」であると、私達は定義しています。
抽象的、先天的だと思われてきた「徳」は体得することができます。
そうすれば、どんな悩みも、どんな問題も、自分自身で解決できるようになり、深く学べば学ぶほど、人間関係や、自身を取り巻く環境、ひいては、社会全体にも大きな影響を与えることができるようになるのです。
武学は心・意・体の3要素のバランスが大事
武学には3つの要素があります。
3つの要素とは 心・意・体 です。
一般的に言われる、「心・技・体」と意味はほぼ同じ、と思っていただいて大丈夫です。
心:「医術」=心身健康の維持向上:自分自身のコントロール
意(技):「兵術」=戦略(いかに戦わないか?):集団のコントロール
体:「体術」=戦術(具体的な戦闘のための術):相手のコントロール
となります。
「コントロール」という言葉を使っていますが、「一体化」の方がより近い言葉になります。
なぜバランスが必要なのか?ですが、
「徳なき心」は「ただの延命」であり、生きているだけの状態。
「徳なき意」は「殺戮」。
「徳なき体」は「暴力」。
どのように持ちえた力を使うのか?が最も大切なことになります。
人生の質とは、自分に投げかける質問の質である
根の如く枝葉が育つ
木はその根を大地にしっかりと根ざし、根を大きく拡げることで揺るがなくなります。
枝葉ばかりを大きくし、根を拡げることを怠ってしまうと、少しの風雨で木自体が倒れてしまいます。
この「根」の部分が「理念」「志」であり、「幹」が目標、枝葉が「行動計画」となります。
理念・志のしっかりとした土台を築き、その理念・志を目標化(見える化)し、行動を続けていくことで、果実である「成果」を手にすることができるようになります。
「なぜそれをするのか?」
いわゆる「Why?」の部分が最も大切であり、この「なぜ?」を忘れてしまうと「手段の目的化」が起こり、これを「砂上の楼閣」とも言います。
「人間学が本学、時務学は末学」
まずは「己を知る」ことが重要です。
あなたはどうなりたいのですか?
どんなことに喜びを感じますか?
今していること(仕事・趣味など)は、何のためにしているのですか?
人生の質とは、自分に投げかける質問の質である
こうした質問が「己を知る」ことに繋がっていきます。
武学の学びは、戦いを略するための知識と実践
『武学』の『武』と『学』には、それぞれ意味があります。
『武』
は、「2つの矛を止める」という意味があります。
お互いが争わないようにする、ということであり、
「戦略」(戦いを略す)
という意味です。
「戦略のための学び」となりますが、では今度は「学び」とは何でしょうか?
「学び」(学問)には、4種類あります。
活学:知識を得て、実践する学び
実学:知識はないが、実践する学び
死学:知識はあるが、実践のない学び
虚学:知識も実践もない学び
このうちの「活学」が「武学での学び」になります。
「からだ」は「身体」と表記します。
身は意識、体は物質的な形、のことを指します。
「心身一如」という言葉がある通り、
肉体と精神は一体のもので、分けることができず、両面であるということです。
つまり、心を変えることにより体が変わり、体を変えることで心が変わる、ということになります。
知識は「身」
実践は「体」
「身体」のバランスは、知識と実践の両面によって初めて成り立つ、ということです。
まとめると、武学とは、
「戦略のための活学(知識を得て、実践する学び)」
です。
「戦略のための活学(知識を得て、実践する学び)」を体系立てて、バランスよく体得していくことが目的です。
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